ドラゴンガンフォース


ドラゴンガンフォースができるまで

ゲームシステムの発想から世界観、ゲームとしての面白さについて語りたいと思います。

まずはじめに、私自身がボードゲームが好きなのでデジタルゲームではなく、アナログのボードゲームを作りたいという思いからドラゴンガンフォースの製作はスタートしています。スマホの小さな画面の中の実体のないカードを味気なく感じ、電源を入れなくてもコンポーネントを拡げれば ゲームの世界が実在するというボードゲームの世界に魅了されます。 この感覚はボードゲーム好きな人になら分かってもらえると思います。

実在しない世界を実在するカードやボードで再現する、ドラゴンガンフォースで言えば、古い話になりますが子供時代にファミコンで遊んでいた頃のゲーム、2等身のドット絵キャラのイメージ や世界観をカードゲームで再現することを目的にしています。見た目は幼稚もしくはチープに感じられるが中身は硬派で面白いを表現できれば、私が作りたいゲームの完成となります。

ドラゴンガンフォース

ゲーム内容の大枠を決める

ゲーム構想当時に子供とトレーディングカードゲーム(以下TCG)で遊ぶことが多く、毎日、[デュエルマスターズ]や[ポケモンカードゲーム]で遊んでいました。ボードゲームの名作[ドミニオン]もヘビーローテーションしていたこともあり自作するならカードゲームでという感じでした。

個人製作でTCGのようにカードパックを出し続けるのは難しいので何枚ものカードがセットになった買い切りタイプにすることも早くから決まっていました。買い切りタイプのTCGはリビングカードゲーム(LCG)と言ったりもするみたいですが詳しい定義付けはされていないようです。LCGというとボードゲーム界の大御所ライナー・クニツィアが作った[ブルームーン]なるカードゲームが有名です。 個人的にはカードイラストが洋風すぎるというかグロテスクというか合わなかったので遊んだことはありませんが・・・。

買い切りタイプのTCG風でプレイヤー同士がギスギスせずに遊べるボードゲームっぽいカードゲームというなんだか分からない大枠ははじめからブレずに決まっていました。


ゲームシステムの考案

ドラゴンガンフォースの前身であるソードリオンのプロットダンジョンからローグライクなゲームシステムをアナログのボードゲームで出来ないかを模索していました。ローグライクとはsteam 等のデジタルゲーム界では1つのジャンルとして確立されている、

等が特徴のゲームを指します。steamなら[スレイザスパイア]、昔からのゲーマーなら[トルネコの大冒険]や[風来のシレン]といった不思議のダンジョン系ゲームと言った方が分かりやすいかもしれませんね。 名作ローグライクは繰り返し遊べるリプレイ性とランダム要素が絶妙にかみ合い時間ドロボーなゲームですね。

ローグライクはデジタルゲーム界では大人気(特にsteam)ですが、アナログボードゲームでは私の知る限りではほとんどないと思います。個人製作の自作ボードゲームのローグライクっぽいのをネットサーフィンで見かけた事がありますが、物凄いコンポーネントの量でプレイ時間も長そうなものでした。 とても面白そうでしたが、私の考えるローグライクはサクサクと遊んで何回もリプレイできるものをイメージしていましたので、なかなか私が考えるようなローグライクなボードゲームはないのだと思いました。

ボードゲームは基本的にプレイする度に1からやり直すものがほとんどですし、繰り返し遊べるようにするのはすべてのゲームの永遠の課題だと思うので、実際にボードゲームとローグライクの親和性は高いのではと思います。


もうひとつの核となるゲームシステム

ローグライクの特徴+αでカードゲーム的な要素にデッキ構築というゲームシステムがあります。デッキ構築ゲームと聞くと真っ先に思い浮かぶのがボードゲームの名作[ドミニオン]だと思います。集めた金貨カードでコンボカードを購入していき、そのカードを駆使して勝利点カードを奪い合う、自分だけの戦略でデッキをビルドしていく楽しさにハマった人も多いと思います。

TCGでもたくさんのカードから40枚とか60枚とかの範囲でカードをピックしていきデッキをビルドしていくのは対戦と同じくらいTCGの楽しい部分です。ただ、買い切り型のカードゲームで好きなカードをピックしてデッキを作るとなるとカード資産が増えていかないのでデッキ構築の限界が見えてきてしまいます。ボードゲーム風のカードゲームでデッキ構築要素となるとゲームプレイしながらデッキを作り上げていくドミニオン方式が正解だと思います。

ランダムに登場するカード群により、毎回異なる状況からカードを購入していきデッキをビルドしていく・・・、プレイごとに臨機応変に対応していくのが楽しい感じに仕上がれば完璧だと思います。ビルドという言葉を聞くだけで心ときめきませんか?


ローグライク×デッキ構築以外の色々インスパイアされたもの

ドラゴンガンフォースの核となるゲームシステム、「ローグライク×デッキ構築」以外にもインスパイアされたゲームやシステムがあります。

色々ゲームのアイデアを考えていた時に、デジタルゲーム界で[オートチェス]というジャンル?があることを知りました。欲しいコマをピックしてバトルは自動、バトルロイヤル方式で生き残りをかけて何回もバトルを繰り返す。コマ同士の組み合わせによるシナジー効果や同じコマを3つ揃えるとパワーアップする、考える要素はたくさんあるけど、とりあえずコマだけピックしていればゲームは遊べるという感じのゲームです。

このオートチェスのゲームシステムはボードゲームっぽい所が多く、私が気にいったのはお金でコマを購入するのですが、毎回お金には利子が付きその利子ボーナスをうまく活用するのがゲーム攻略のポイントとなるリソースマネジメント的な点、またお金さえ払えばピックするコマをリロードできるソシャゲでいうガチャのような要素です。欲しいコマを引き当てるためにお金をどんどんつぎ込みリロードするのは悪手なんですが、ついつい欲しいコマがでるまでは!とリロードしてしまうという感じで中毒性がありますね。

ドラゴンガンフォース

オートチェスのカードゲーム版ともいえるゲームもありまして、デジタルTCG界で有名な[ハースストーン]内の1コンテンツ[バトルグラウンド]です。TCGのゲームシステムをそのままオートチェスに落とし込んだようなゲームで、 ピックしたカードは並んだ順番に行動する自動バトルでプレイヤーが考えるのはカードの購入と並び順、バトル→カード購入を繰り返しデッキを強化して他プレイヤーと生き残りを賭けて戦うのがとても楽しいゲームです。バトルグラウンドは最初にヒーローを選べるのですが、そのヒーローごとにヒーローパワーというゲーム中に使える効果があります。 いわゆるパッシブ効果というか切り札というか、このヒーローパワーの使い方にも考えどころがあって楽しい点です。ドラゴンガンフォースのレリックの発想の元となっています。いわゆるリスペクトですね!


オートチェス以外でインスパイアされたゲームに[麻雀]があります。4人のプレイヤーが卓を囲み100個以上の牌の山から、強力な役を作り点数を競うのが麻雀です。私が思うボードゲームよりに見た麻雀の魅力ですが、

共通の牌の山から欲しい牌を集め、不要な牌は捨てる。他プレイヤーは捨て牌から自分の役を変更したり駆け引きが生まれる、ラウンド制のため捨て試合や逃げ試合を作れる、将棋に代表されるアブストラクトゲーム(運要素のないゲーム)に比べて実力と運のバランスがボードゲームみたいです。


ドラゴンガンフォースのゲームシステム

連々と色々なゲームシステムについて書いてきましたが、肝心のドラゴンガンフォースにどれくらい反映されているのかが問題です。デジタルゲームの良さをアナログのカードゲームにそのまま使っても面白くならない、若しくは処理が面倒になります。そのあたりも考えて、テストプレイを重ねた結果とても満足のいくゲームとなりました。

ローグライク
200枚を超えるカードによる高いランダム性により同じ展開にはほとんどなりません。また、プレイする度に新しいカードの組み合わせによるコンボが見つかったりカード知識が貯まり、運の要素を知識で乗り切るというのが、いかにもローグライクらしい感じです。ビルドやレリックという言葉の響きがいかにもな感じとなりました。
デッキ構築
除々にカードを購入し、色々なキャラクターカードを集めてカード軍団を作る楽しさがあります。プレイする度に違うデッキがビルドされるのが面白いですね。
オートチェス的な要素
マリガンによるリロード、ガチャ、金貨でカードを購入するところを上手く取り入れています。
バトルグラウンド的な要素
カードの並び順を考えたり、バトル→カード購入というゲームの流れ、バトルロイヤル、ヒーローパワー=レリックなところなど、かなりリスペクトしています。
麻雀的な要素
共通のカードプール、ラウンド制によりメリハリのあるゲームとなりました。

私の思い描いていたアナログでローグライク×デッキ構築という感じに仕上がっていますので個人的な満足度は高いです。既存のTCGとは違う感じなので取っつきにくさは否めませんがハマる人はハマると思います。

ドラゴンガンフォース

オーバーパワーのカードバランスが生む全能感!

トレ―ディングカードゲーム(TCG)であまりに強いカードをオーバーパワー、ぶっ壊れと言ったりします。カードゲームではカード同士の強さのバランスを取るのがとても大事です。 TCGならカードパックが出る度に新しいカード資産が増えることでバランスを取ります。デジタルのカードゲームならナーフといって強すぎるカードの効果を変更したり、そもそもカードをなかったことにしたりしてバランスが取れます。

しかし、買い切りタイプのアナログのカードゲームの場合はテストプレイを重ねて最高のバランスに仕上げるしかありません。そんな難しいバランス調整ですがドラゴンガンフォースではオーバーパワーをオーバーパワーで ねじ伏せる感じにしました。一見するとカード単体で強すぎるカードも何かしらの欠点があるような感じにしています。テストプレイは100回や200回では効かないくらいに繰り返しましたが、カードの組み合わせによっては勝ち確定みたいなコンボも存在します。

ドラゴンガンフォース

スタッツが10以上あれば強い世界で40/16というオーバーパワーを持ったカードです。レリックも強力ですがゲーム中ではこのカードを上回る強いカードが何枚も存在します。


ただ、強力なコンボが揃っても相手のカードの出方次第であっさり負けることもあります。偶然に揃ったコンボで無双できたりとローグライクならではのランダムを運で乗り切る醍醐味も味わえます。

テストプレイのほとんどを小学生の子供としているので、どうしてもオーバーパワー寄りなバランスになってしまうのは仕方ないかもしれません。やっぱり子供は無双するのが大好きですね。


世界観について

ゲーム制作にあたってゲームシステムも大事ですが、ゲームの世界観にもこだわりました。カードに描かれたキャラクターの統一感や世界観に裏打ちされた重厚さを感じていただければ幸いです。

ドラゴンガンフォース

舞台は中世ファンタジーのよくある設定です。このへんは古い人間なのでファミコンRPGの影響が大ですね。魔法使いがいてドラゴンがいてという感じです。ただ、手が4本の怪物とかあまりに異形なキャラクターはいません。


3つの地域

ヴォルガリア、ロガレア、サウスブリッジという3つの国というか地域に分かれています。他にも世界は拡がっているのですが人間が生息している主な地域は3つとなります。

ヴォルガリア
覇王ソードリオンが治めていたもっとも人間が多く住む地域です。ヴォルガリアの城下町に覇王が大きな穴を空け、地中深くに眠る魔力のカオスドラゴンを目ざめさせたことにより、世界の均衡が崩れ混沌とした世になりました。
ロガレア
雪の積もる寒い地域でロガレア王国となっていますが、実権を握っているのはグリム委員会という組織です。グリムとはこの世界の秘宝レリックを生みだした天才集団で組織された者たちのことです。火竜の力を超常の力で物質化させ兵士の戦闘力を高めたり、生命をもたない剣に命を宿らせたりと凡人では思いも使いないレリックの数々を生み出しています。 中でもグリム鉄は鋼鉄と自然のエネルギーを同化させたグリム委員会の最高傑作で組織名の由来ともなっています。この濃緑の鋼色を纏った騎士はグリム聖騎士団として各国から恐れられています。
サウスブリッジ
過去に栄えた超文明の遺跡が点在する森に包まれた地域です。超文明はかつてこの世界を統治していましたが、自らの力に溺れ滅びの道を選びました。現在では超文明のことをホーリー世界という架空の国のおとぎ話のように伝えられています。

人間と竜そして鬼神

この世界では遥か昔から人間は竜を恐れ暮らしていました。世界の大半は竜や魔獣が巣食う地域で人々はその陰に隠れるように住んでいました。巨大な竜はひとつの村を焼き払うほどの暴威の限りを尽くすこともありました。

そんな竜への恐怖を抑えるために各地で信仰されているのが鬼神(きしん・おにがみさま)です。鬼神は精神体が具現化したような姿をしています。精霊にも似た存在ですが、強大な力を秘めており時に巨大な竜をも倒すことがあり人々は神として崇めています。

鬼神は色により信仰され、富と名声を信仰の対象とする金鬼神、戦いを信仰とする赤鬼神などが存在します。各地で鬼神を祭る祠が建てられ、人々は鬼神に対しての貢物などを祠に納めています。

しかし人々の思いとは裏腹に鬼神は時に竜以上の暴威を人々に与えることがあります。元来、きまぐれな鬼神が多く理由なく 人々に害を加えることも多く、しかし逆らうこともできないため竜よりもさらに強い畏怖を感じる人も多く存在します。

鬼神の目に余る暴威に憤慨したヴォルガリアの覇王ソードリオンは自らが鬼神を倒す力を得るべく、大穴を空け魔力のカオスドラゴンを復活させたのです。かくして人々は魔力という竜や鬼神にも対抗し得る強大な力を身に付け、人間×竜×鬼神の均衡は大きく揺らぎ、力のみがすべての鋼の教えの世界へとつながります。


最後に

世界観は各キャラクターごとの背景設定もしっかり創り込んでいます。重厚な世界観×面白いゲームシステムのゲームに仕上がったと自負しております。ドラゴンガンフォースにご興味いただければ幸いです。

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